ダイバーシティ&インクルージョンEAP 従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)
特別養護老人ホームみどりの郷に「こころの相談室」を開設
普段は、お客様の暮らしを支え、お客様の心のケアにあたる職員ですが、働く職員の心のケアも必要です。湖星会の職員の誰もが健康で、いきいきと気持ちよく安心して働くことができる職場環境を整えるために、こころの相談室は開設されました。
こころの相談室には、介護業界で長らく活躍された経験豊富な正看護師が随時対応しており、健康上の相談はもちろんのこと、仕事上の悩みから子育ての悩みまで、どんなことでも相談が可能です。
一人で抱え込んでいませんか?一人で苦しんでいませんか?
相談者は、相談内容について「問題解決に向けた直接的な手助け」を望むのか、或いは「法人には伝えず、ここだけの話として話を聞いてもらうに留めて欲しい」のか、選ぶことができます。
自傷や他害の危険、命の危機などが明らかに認められる様な緊急時は別ですが、原則として相談者や相談内容の秘密は全て厳守され、相談者の許可なく第三者へ知らせることはありませんので、絶対に他人には知られたくない悩みを抱えている方でも安心してご利用頂けます。
相談者の苦しい胸の内に寄り添いながら話を聞いてもらうだけで楽になるという方も居れば、これからどうすべきか有効なアドバイスとバックアップを得て解決へ向けた一歩を前進できる方もいらっしゃいます。また、相談者の健康状態によっては医師による診察を早急に受けられる様に、日頃から外部の専門医と連携を図っております。
こころの相談室では、重度のストレスや心身の疾患が疑われる職員の早期発見や対処ばかりでなく、周囲では気付きにくいメンタル面の不調や、本人も自覚しない心身の症状などをいち早く把握し、状況が深刻化する前に未然に防ぐ役割も担っております。
職員の健康を増進し心身の健康が保たれることは、職員のパフォーマンス向上につながり、ひいてはお客様へ提供するサービスの質の向上にも大きくつながります。
カウンセラーは湖星会で長年活躍された元施設長
現在、こころの相談室室長を務める阿部さんは、特別養護老人ホームみどりの郷では看護長、施設長を歴任されるなど、湖星会を法人設立時から支えて来られた方。中でも人財育成には注力され、研修の講師や人事評価面談を通じて、職員の成長を長きにわたり見守り続け、現在湖星会の第一線で活躍する施設長や看護長、介護長をはじめとする多数の職員を育成した実績をお持ちです。
これまでは施設全体の牽引役として活躍されておりましたが「役職も権限も関係なく、一カウンセラーとしてじっくりと職員と向き合いながら職員の心身の健康をサポートしたい」との思いから、現職に就かれました。
外部EAPと内部EAP、それぞれにメリットデメリットはありますが、介護業界にも施設運営にも精通し、湖星会の組織や職員の個性をも熟知したカウンセラーだからこそ、仕事上の悩みや職場内の人間関係の悩みなど、デリケートで複雑な相談内容においても相談者に寄り添ったきめ細やかなフォローができる大きなメリットがあります。
また、湖星会では産休、育休取得者の職場復帰率も高く、仕事と家庭の両立、子育ての悩みなどを持つ職員も少なくありません。阿部室長ご自身も3人の子育てと孫育ての経験者でもあり、看護師としても豊富なキャリアがありますので、母子の健康面に関する相談から思春期の子育ての悩み、学校のこと、受験のことなど、親として尽きない悩みの種から仕事上の悩みまで幅広く相談できます。相談者の中には、その包容力あふれる雰囲気に包まれただけで「悩み事を話す前に、気持ちが落ち着き心が楽になった」という方もおられるぐらいです。室長ご自身の経験から、普段はあまり公表しない過去のエピソードを“運が良ければ”聞く事もでき、沢山の勇気と活力をもらって現場に入る職員もおります。
ふらっと立ち寄れる気軽さ、
ポロっとこぼせる親しみやすさが相談室を機能させる
阿部室長は、こころの相談室に相談者の訪問がない時間を利用して、施設内に足を運んでは職員に声を掛けながら現場を巡回します。元施設長だけに、施設にご入居されているお客様のことも良くご存知で、お客様の最近の様子について職員と話し込むこともしばしばです。職員との何気ない会話や表情、お客様を介助する際の言動やちょっとした様子から職員の異変を感じ取ったりすることも多いことから、阿部室長は現場に足を運び声を掛けながら職員の様子を伺うことの重要性を説きます。
「自ら積極的にこころの相談室を活用する職員はまだまだ少なく、一人で思い悩み『あのー、ちょっとご挨拶宜しいでしょうか・・・』と、その職員の初めての訪問が退職の挨拶、というケースもありました。こんなに悲しいことはありません。」
そうなる前に、こころの相談室として、やれることは沢山あるはずだと阿部室長は力を込めます。
「私が現場を時々歩いてみて、職員の異変を感じたら『今度お茶でも飲みに遊びに来てね、たまにはゆっくりお話しでもしましょうよ。待ってるわ。』と、積極的に声を掛ける様にしています。ポロっと愚痴をこぼしたり、飽和してあふれてしまう前に自分の感情をストレートに表現したり、職員が『気付いて!』と心の中で叫んでいることに気付いてあげたり、ここはそうゆう場でいいと思うんです。最近では昼休みともなると『お客様から頂いたケーキ、よろしかったら一緒に召し上がりませんか?』と、お裾分けを持って職員2~3名で相談室に来てくれることもあるんですよ。こころの相談室は集団で利用したっていいんです。」
「大人の保健室」「サロン」のように、ふらっと立ち寄れる気軽さと、ポロっとこぼせる親しみやすさで、職員にとってもっと身近な存在となることが相談室が機能していくための第一歩だと阿部室長は強調します。心身のコンディションに少しでも違和感を感じたり、こころのわだかまりが消えない時は、先ずはこころの相談室の扉をノックしてみてはいかがでしょうか。