先輩の活躍

介護職・相談員・ケアマネ
そして海外研修
沢山の経験をさせてくれた湖星会

地域密着型特別養護老人ホーム
万葉の郷

平成22年 新卒入職

介護支援専門員

関根 美里 さん Misato Sekine

実習を通じて進路変更!
お世話になった方たちへ恩返しができるって、いいなと思った

高校時代からメンタルケアに関心があり、臨床心理士という仕事に興味を持ちました。そこで、進学時には臨床心理士の資格が取得できる大学を選び、入学後は福祉を幅広く学びました。福祉と一言にいってもその幅は広く、高齢者、児童、障がいなどの分野があり、職業という視点からみると、それぞれに高い専門性が必要とされます。どの分野で自分の学んだ領域を生かしていくか、その結論をなかなか出せないまま学生時代はあっという間に過ぎていきました。

そんな中、私の地元である福島県須賀川市の高齢者施設(デイサービス)へ実習へ行ったのですが、同級生のおじいちゃんがお客様だったりして、すごく懐かしかった。あー、地元に帰ってきたんだって感じで(笑)。「みーちゃん、こっちきてよ」「みーちゃん、手伝って」と、子どものころの呼び名のままで呼ばれてました。子どもの頃、面倒を見てもらった友達の祖父母が、今お客様となって自分がお世話していて、こうして恩返しできるのって、いいなと思ったんです。
こんな形で、自分が学んできたことを生かしながら、お世話になった方の心のケアができる仕事に就きたい。そう思い、私の進路は臨床心理士から一転、介護施設の生活相談員の仕事を目指そうと決心しました。

目標が定まり、いざ就活を開始!
一番ガツガツしていなかった
湖星会へ応募を決意

ある程度、自分の目指すべき道が定まったところで就活を開始しました。合同説明会に参加したり、色々な法人の説明会や施設見学にも参加しました。どの法人の方も、説明会に参加した次の日から凄まじい電話攻撃。それだけ熱心に採用活動をされていて、担当の方は本当はそうでなくちゃいけないんでしょうけど・・・されればされるほど、自分の気持ちがどんどん引いて行っちゃう感じでした。そういう点では、湖星会が一番ガツガツしていなかったというか(笑)。
施設で働いている職員の方も、見学対応して下さった方も皆さん穏やかで、雰囲気がすごく良かったんです。あとは、友人のお母さんが働いていたことが大きかったですね。

「湖星会が一番自分に合っている」

そう思い、安心して入職を決意したんです。入職前のオリエンテーションでは、オリエンテーション会場に入ると大学の同期がズラリと並んでて、もうびっくりしました。お互いに「どうしてここにいるの!!」と、まるで同窓会でもやっているみたいでしたね(笑)。
自分がいいと思う施設は、他の人からみてもいいと思う施設なんですよね。おかげで、温かくリラックスした雰囲気の中で、社会人としてのデビューを迎えることができました。

入職1年目に東日本大震災を経験
幸福の本質について考えさせられた

生活相談員を目指す上で、先ずは介護そのものを理解することが一番着実だと思い、湖星会には介護職として入職しました。入職後はみどりの郷のショートステイに配属となり、ショートステイでの介護業務を約1年程度経験して、その後は同じみどりの郷の長期入所ユニットに異動になりました。入職から丸1年が経過し、仕事もだいぶ慣れてきた頃、あの東日本大震災が発生したんです。
幸いにも、みどりの郷では水や電気やガスなどのライフラインに影響はありませんでしたが、建物にはダメージがありました。 2階のユニットの天井板がずれ落ちるところがあったり、壁に亀裂が入ったり、私たちは万が一の二次被害を避けるため、2Fユニットのお客様全員、1階に避難して頂きました。「念には念を」です。そして震災のあった翌日には、同じ湖山グループの郡山市にある介護施設に入居されていた30名近いお客様を受け入れることになります。しばらくの間、一階のユニットや地域交流室等の共有スペースで生活して頂くことになったのですが、それから間もなくして、今度は福島県太平洋沿岸部で避難区域となった南相馬の特養から、十名の方の受入をみどりの郷で支援することになりました。そこからは、職員泊まり込みの体制で怒涛の日々です。これまでの様に、全室個室ユニット型の施設としての暮らしは一旦停止です。施設内で安全が確保された場所を模様変えして、例えばリビングの一角を寝室として使用できるようにしたり、地域交流室や会議室にベッドマットを並べたりして、先ずは“寝床”の確保です。その際、私はみどりの郷の1Fの長期入所ユニットで勤務していたので、2Fユニットから避難してもらったみどりの郷のお客様を受け入れ、ユニット内でお客様の介護にあたっていました。

他施設から緊急で受け入れることとなった方たちは、事故防止のために、服薬の情報や疾患などをガムテープにマジックで書き込み、服の上からお客様の肩あたりに貼り付けたりもしました。緊急時であるということは頭でわかっていても、冷えない様にと厚手のセーターを重ねて着て、その上から情報が書き込まれたガムテープを貼り付けられ、余震に怯えながら会議室に並べたマットの上で横になるお客様の姿を見ると、・・・やっぱり、辛かったですね。季節はまだ冬で、窓の外は吹雪いていました。お客様が先ずは安全に、そして温かく、不安な気持ちにならない様に、その事だけを考えて、職員は毎日ケアにあたっていたと思います。一日も早く、本来の自分の居場所であるその人それぞれの“我が家”に落ち着く日が来ることを切に願いながら過ごした日々でした。

「津波」「原発放射能」「避難」・・・テレビの電源を入れると、そんな言葉が連日のように聞こえてきて、今目の前に居るお客様のことを考えながらも、須賀川の実家にいる家族の事が心配で仕方なかった。心配しなかった日はありませんでした。多分他の職員も同じ気持ちだったと思います。中には、身内が被災した方や、宮城県や福島の太平洋沿岸部に離れて暮らす家族が居て、未だ連絡がつかないという方もおりました。そんな状況の中でも、職員は皆さん淡々と目の前に居るお客様のケアにあたっていました。

私たちは日頃から、ユニットケアを学び、こやまケアでは個別ケアを学び、それを日々実践して、どうしたらお客様お一人おひとりが自分らしい日常を過ごせるか、そのために何をするべきか、ということをいつも考えてきました。あの時の震災を通じては、お客様の日常の暮らしを支えるうえで本当に大切なこと、自分の人生の中で本当に大切なこと、どうして私はこの仕事を選びこの仕事に就いているのか、仕事を通じて何をしたいと思っているのか、幸福って何なのかとか、普段は考えもしないようなことを色々考えさせられました。あらゆる部分で、本質的なことを見た気がします。

海外研修で触れた“インクルージョン”
違いを認め、ありのままを
丸ごと受け入れるケアを目指して

震災後しばらくして、みどりの郷の介護部から生活相談部へ異動となり、生活相談員となりました。心理学に興味があり大学へ進学し、これまで自分がお世話になった人へ恩返しができたらいいなと思い生活相談員を目指して湖星会へ入職しましたが、入職してからそこまでの3年間の間には、本当に色々なことを経験させてもらいました。ショートステイ、長期入所の両方で介護業務を経験させてもらいましたが、この介護職としての経験が、生活相談員の仕事でも、ケアマネの仕事でも、仕事をする上で全てのベースとなっていることを実感しています。昨年末の介護支援専門員試験に合格し、今年4月からは万葉の郷長期入所で介護支援専門員として仕事をしておりますが、今まで生活相談員として関わっていた同じお客様を、今度は介護支援専門員として関わらせて頂いております。同じお客様でもそれぞれの立場(職種)から関わると、見える角度が違うせいか、新たな可能性や発見があったりして、とても面白いんです。9年間で3つの施設を経験し、介護職、生活相談員、介護支援専門員と3つの職種も経験させて頂きました。色々な経験と言えば、それだけじゃないですね。

みどりの郷で生活相談員をやっていた頃、ちょうど入職4年目位でしたが、湖山グループの海外研修でニュージーランドに行ったことがあるんです。ニュージーランドの病院や老人施設を視察してきたんですけど、カルチャーショックがありました。個室の設えが、まるで本当に個人のお宅みたいな雰囲気なんです。私たちも、お客様の居室づくりに取り組んではいるのですが、自分達がやっていることなんてまだまだと思いました。個室で猫を飼っている方もいらっしゃいました。これはいいなと思いました。湖山グループでも、飼っている犬や猫と一緒に暮らせる施設が千葉にオープンしましたけれど、これからはそんなニーズもどんどん増えてくるでしょうね。
病院も、病棟の一角にはプレイルームみたいなスペースがあり、1日居ても飽きないような雰囲気だった。
現在の日本の介護のスタイルとニュージーランドの介護を比べると「それでいいの?」「もっとこうすればいいのに。」と物足りなさを少し感じるところがあったんですが、それは“自律”する事を尊重しているようにも感じました。だから、ニュージーランドの人たちからしてみてみれば、日本の介護は「しすぎ」と感じるかもしれないですよね。ニュージーランドは移民国家で、様々な民族の人が暮らしており、一人ひとりが違う事が当たり前。それぞれの民族がそれぞれの文化を互いに受け入れ尊重している事を間近に見ることができたのは、当時生活相談員として色々なケース、色々なご家族と関わっていた私にとって、とても大きな刺激となりました。お客様それぞれが違う事はあたり前で、そのご家族様だってまた違う訳です。お客様、ご家族様、一人ひとりの違いをマルっと受け止めて、これからも接して行きたいと思いました。
それともう一つ、施設を見学した際に施設スタッフの方の話を色々伺ったのですが、国は違えどお客様に対しての思いや根っこの部分は、日本もニュージーランドも同じなんだと感じる事ができて、ちょっとホッとする部分もありました。人が人を想い、人が人を支えることの尊さのようなものに、人類愛というか(笑)、国境はないんだと感じました。
すごく充実した研修でした。実は、この研修が私の初海外だったんです。

世界は広い、文化は様々と、この研修を機に海外旅行に目覚めちゃいました。だからこれからは、世界中色々なところを旅したいですね。そして、あらゆる文化に触れたい。先ずは台湾に行きたい。そして次はフランス。モンサンミッシェルを観たい(笑)。あとは寒い所へ行ってオーロラも観てみたいし、他にも、ベルギーへチョコレート食べに行きたいし、あ、どんどん普通の観光になってきている(笑)。

地域とともに
人生を歩んでいけるような施設に

わたしのこれからの目標は、この万葉の郷をより魅力的な施設になるように、それに必要なことに取り組んでいくことです。地域密着型施設だけあり、地元地域から入居されているお客様も多いので、今まで以上に地域との接点を増やしていきたいですね。地域とともに人生を歩んでいけるような施設にこの万葉の郷を育んでいくのが目標です。
今も、夏祭りは地域に開放して、街ぐるみで楽しめるイベントの一つとして開催していますが、せっかく松川の街の中にある施設なので、その立地を生かしてもっともっと地域との交流を図り、入居されているお客様が今まで以上に地域に出ていける機会を増やしていきたいです。

家が大好き!
休日は家で静かに過ごすのが最高!
だったのですが・・・

福島はいい温泉も沢山あって、勤務する施設から車で30分位行くと温泉街もあります。時々女友達と温泉1泊旅行に行っては、ゆったりと温泉に浸かりながら、美味しいお料理と日本酒を楽しんで、夜な夜なおしゃべりに花を咲かせることもあります。
でも基本的には家でくつろぐのが大好きで、DVDを観ながらゴロゴロしていたり、最近はまた読書にハマりだしたので、1日中読書して過ごすことも多いんです。完全なインドア派です。
そんな私を心配して、最近職場の人が、サクランボ狩りに誘って下さいました。サクランボ狩りやバーベキューは何年ぶりだろう・・・。ローカル線に乗って、たわわに実ったサクランボを楽しんできました。福島は美味しい果物が沢山収穫できるところですから、こうしてたまには外で過ごすのもいいですね(笑)

湖星会での就業を
検討されている皆様へ

介護施設は、1つの施設内でも様々な専門職がそれぞれの役割を担い成り立っています。経験を積んで資格を取得し、1つの職場に居ながらにしていくつもの専門職を経験できるのが湖星会の面白いところ。実際に私も、介護職として入職してから介護福祉士を取得し、介護現場での経験と学生時代に取得した社会福祉主事任用資格を活かして生活相談員となり、その後介護支援専門員の資格を取得して現在は介護支援専門員としてお客様の暮らしをサポートさせて頂いています。
湖星会は、法人内で成長した職員に対して積極的に次のステップを用意してくれるので、じっくりと長く働いて自分を大きく成長させたい、そう思っている方にはぴったりだと思います。
数ある施設の中で、家族を託す施設としても、働く職場としても、胸を張ってお勧めできます。万葉の郷は、職員もみんな和気あいあいと仕事をしていて、人が素晴らしいところです。是非お越し下さい。

Profile

福島県須賀川市出身。福島学院大学 福祉心理学部 福祉心理学科 卒。
介護職として湖星会へ新卒で入職し、介護職、生活相談員、介護支援専門員の3職種を経験。また、生活相談員としては特別養護老人ホーム、認知症対応型デイサービス、地域密着型特別養護老人ホーム、デイサービスの4類型の施設で経験する。その間に、介護福祉士と介護支援専門員の資格を取得。
平成25年には、湖山医療福祉グループの海外研修生として選抜され、ニュージーランドの病院や介護施設の視察研修に参加。その研修を機に、海外旅行に目覚める。趣味は読書と映画鑑賞。
現在は、地域密着型特別養護老人ホーム万葉の郷の介護支援専門員として活躍中。