先輩の活躍

お客様を食事で笑顔にしたい
どんなときでも
その思いを持ち続けて

地域密着型特別養護老人ホーム
万葉の郷

平成26年 新卒入職

管理栄養士

佐藤 茜 さん Akane Sato

子どもの頃から料理が大好き
栄養士という職業を意識して育つ

小学生の頃からお菓子作りが好きで、父におねだりをしてオーブンを買ってもらいました。
オーブンが家にやってきてからは週末となるとクッキーやらケーキやら毎週作っていて、パン作りにも挑戦して。作った焼き菓子やパンを家族に食べてもらうのですが、上手にできたわねと褒められるのが嬉しくて。「そんなにお料理が好きなら、将来は栄養士さんかな?」と両親から栄養士という仕事があることを教えてもらいました。四六時中、お料理の事ばかり考えていた私は、学校の学活の時間に職業体験の様な授業があった際に「栄養士」の仕事について調べました。お料理を作るというよりも、どんなお料理を作るか考える仕事なのかな?と、子どもなりに解釈して、自分がやりたい仕事はまさにこれだ!みんなが美味しく笑顔になれる料理を考えて、生み出す仕事に就きたいと思いました。そこから、私の中で将来は栄養士になるんだ、という強い気持ちが芽生えたと記憶してます。

ユニット型特養で厨房は直営
やっと見つけた湖星会の新卒求人

学外実習がユニット型特養で、そこでの経験から就職するならユニット型の特養の栄養士がいいな、と思っていました。お誕生日会の企画にも携わらせてもらう機会があり、子どもの頃から自分がなりたいとイメージしていた栄養士像にぴったり当てはまった感じでした。そんな中、合同就職説明会に出向き、色々な会社のブースを訪問してお話を伺ったのですが、ユニット型の特養で、厨房を直営管理している法人がなかなかないんです。ユニット型特養の法人さんはいくつかあったのですが、新卒で栄養士の募集をしていなかったり、厨房が直営じゃなかったり。委託業者さんのブースで話を聞く機会もあったのですが、やはり私は施設が直営で管理しているところで、施設の一職員として栄養士の立場からお客様と関わっていきたいという強い思いがありました。湖星会のブースに伺い話を聞くと、直営運営で新卒の栄養士の募集があったのです。ユニットケアにも力を入れていて、ここなら、介護部や看護部など多職種の方と連携しながらお客様とじっくり向き合い、自分がやりたいことが実現できるかも、と思い入職を決意しました。

管理栄養士として
「この方のために作りたい」
と思う気持ちを大切にしたい

短大卒業後、湖星会で栄養士としての実務経験を3年間積ませて頂き、昨年管理栄養士の受験資格を得たのでトライしたところ、無事に管理栄養士の資格を取得できました。今年の4月からは、管理栄養士として栄養マネジメントの仕事を中心に担当しているのですが、栄養士としての仕事をしていた頃よりも、よりお客様お一人おひとりと深く向き合う時間が増え、その方の健康状態や食の趣向を知れば知るほど、自分の中でメニューが湧いてくるんです。特に、ペースト食や栄養補助食等を摂取されている方の食事に関しては、あのメニューなら見た目も美味しそうにお皿に盛れるかも、栄養価も良くて食事を楽しんでもらえるかも!と、次々に献立のことを考えてしまう。今、自分が向き合っている目の前のお客様を思い「この方のためにあれを作りたい」「あの方にこれを食べて欲しい」と。管理栄養士として、お客様お一人おひとりの栄養マネジメントを担うようになってからは、今までにも増して献立づくりがワクワクします。

お客様の笑顔が
ご家族の笑顔にもつながる
この仕事のやりがい

少し前に、施設で家族会を開催しました。家族会とは、施設にご入居されているお客様のご家族を施設にご招待して、皆さんで一緒に食卓を囲んで団らんを楽しんで頂く行事なのですが、お客様にもご家族様にも喜んで頂けるお食事を提供しようと、栄養課の職員もその日は一層力が入ります。
あの日は、ちらし寿司、茶そば、豚の角煮、エビフライ、唐揚げ、卵焼き、枝豆なんかをご用意させて頂きました。どれも手作りで、エビフライなんかも全て一から手作りしました。「ご家族と一緒の団らん」というところが一番の笑顔の源だと思うのですが、皆さん「美味しいわね。」「んまい!」と大変喜ばれて、普段よりも沢山召し上がって下さいました。

「お母さんも普段はあまり食べないのに、次々目移りしちゃって。たまに外出させてもらって、好きだった店に私たち連れて行ったって、こんなに食べないわよ。こんなに食欲旺盛な姿見たの、何年ぶりかしら。信じられないわー。」と、娘さんが嬉しそうにお母様をじっと見つめているんです。すごく嬉しかったですね。

そのお客様は、ご入居されてから大分経ちますが、日頃から「家さ帰りでえな」とよく仰っており、夕方になると衣類等を風呂敷に包んで「それじゃ、どうも。みなさま今までお世話になりました。」と言って、車椅子に乗ったままその風呂敷包みを膝の上にちょこんと載せて、ちょぼちょぼと自走しながら玄関口へ向かわれる方です。
そのお客様も、今日こうしてご家族との団らんのひとときを過ごされ、笑顔で喜んで食事を召し上がる。そしてその姿を見つめるご家族も幸せそうな表情でお客様を見つめる。

私は、栄養士という職業を目指し始めた学生の頃からずっと「お客様を食事で笑顔にしたい」という思いを持ち続けてきました。そして、管理栄養士として仕事をする現在も、どんなときもその思いを持ち続けています。厨房の中で、納品された食材の検品をしている時も、発注書の用紙に発注する食材を書き入れている時も、食材を下処理している時も、献立を立てている時も、卵の数を数えている時も、いつも「お客様の笑顔」を思いながら仕事をしています。
ですから、こうして食事を通じてお客様が笑顔になり、その周りの人も笑顔になって下さる、こんなに嬉しいことはありません。この仕事していて良かった!と、心から思える瞬間です。

「万葉の郷に親を託したことが最高の親孝行だった。」
そう思ってもらえるように、
ご家族の思いにも応えたい

楽しい時間はあっという間で、お食事も一段落ついた頃には外は薄暗くなっていました。ご家族の皆さんは、ユニットのリビングからお客様の居室に一緒に一旦入り「また来るからね」と、お客様とのしばしの別れの儀式をされてました。
ご家族がお帰りになろうとすると、お客様はご家族のことを玄関までお見送りすると仰って、ユニットの介護スタッフに車椅子を押してもらいながら玄関へ向かおうとしたのですが、介護スタッフが他のお客様の介助にあたらなければならなくなり、急遽私が代わりにお客様の車椅子を押して玄関まで行くことになりました。車椅子を押しながら、ご家族の後ろをゆっくりとついて行きました。

「あらやだお母さん、せっかく私たちがお母さんのこと部屋まで送ってあげたのに(笑)」と、娘さんは後ろからついてきた私たちを見て笑いながら仰いました。お客様はすごく嬉しそうでした。
「じゃあね!お母さん。また来るから」と、娘さんがお客様の手をぎゅっと握ると、お客様の表情が一気に変わりました。

しばしの別れの瞬間を感じてか、笑顔が消え「この瞬間を受け入れたくない」というような、そんな表情に一瞬にして変わりました。お客様のこんな寂しい表情を見たのは初めてでした。いつもはつらつと、サバサバとしている娘さんですが、そのお客様の表情を見るのはとても辛かったんだと思います。
「私たちも、出来れば置いて行きたくない。一緒に連れて帰りたいんだよ。でもね、どうしてもそれはできないの。ごめんね、お母さん。」
お客様もご家族も、涙ぐまれていて、何だか私まで涙があふれてきてしまって。
「じゃあ、後はすいませんが、宜しくお願いします。また来ますので。」
娘さんは私にサラっと仰いましたが、私にはズシっときました。家に帰りたいお客様、その願いを叶えてあげたくても叶えてあげられない娘さんやご家族の気持ち。
お客様は、娘さんが運転する車が施設の敷地を出て車が見えなくなるまで、ずっと手を振り続けていました。

「私は今まで、お客様の何を見てきたんだろう。」

そんなことをボーっと考えながら、お客様の車椅子のハンドルを握ったまま、お客様が手を振り続けるのを終わるまでその場で寄り添っていました。
私は管理栄養士として、お一人おひとりと向き合い、沢山の情報を手元に集め、それでその方を知ったつもりになっていただけだったのだろうか?
本当は連れて帰りたい。でも連れて帰れない。
「ごめんね、お母さん。」って・・・。

そう仰った娘さんの胸の内、一緒に帰るのを諦めて娘さんに手を振り続けるお客様の気持ちを察すると、色々な思いが込み上げてきました。それから何日もの間、ずっと自分の中にズッシリとしたものが残っていました。なにか大きな宿題みたいなものが。娘さんの声、ご家族の顔、お客様が手を振り続ける後姿が浮かんでくるんです。

「応えたい」

何日間かモヤモヤしたのちに、ふと、お母さんを思う娘さんの気持ちに、ご家族のその気持ちに応えたいと思いました。
急に(笑)。

一緒に暮らしたくても、色々な事情があってそれが叶わない。だから施設の利用を決断される。そして、家に帰りたいと親にせがまれ、そのたびに「ごめんね」と言って、後ろ髪を引かれる思いで施設をあとにする。
そのご家族の思いに、何としても応えたい。ここ万葉の郷に自分の大切な親を託したことが、最高の親孝行だったと娘さんが思えるように、ご家族がみんなそう思えるように、応えたいと思いました。
そのための万葉の郷じゃなければ、私たちの存在意義なんてない!と。

厨房の外に出て初めて気付いた
管理栄養士である以前に
私は介護施設の
一職員であるということ

これまで私は、管理栄養士として食事でお客様を笑顔にしたいという気持ちで仕事に向き合ってきました。その気持ちは今も変わりありません。
できるだけお客様と関わって、栄養マネジメントに生かしたいと言ってましたが、それはあくまで「栄養士」とか「管理栄養士」の立場からお客様の情報を集めるために関わっていこうという感じで、仕事に必要な部分だけを関わろうとしていた。
無意識のうちに、介護の仕事の領域には正直あまり関わりたくない、自分は栄養士だからそこまでは関係ない、みたいな気持ちが心のどこかにあって、自分の方から線引きしていたところがあった様にも思います。
「お客様と関わる」って、お客様の情報を手元に集めて、その確認をしにお客様の顔を見に行くことが「関わる」ということなの?これまでの私は、それが「関わる」だと思っていました。

私は今回の家族会を通じて、お客様のことをもっともっと知りたくなりました。お客様が今何を望んでいて、それはどうやったら叶えられるのか、「嬉しい」のツボはどこにあるのか、「楽しい」のツボはどこなのか、お客様その方それぞれにとっての幸せが何なのか、もっともっと知りたくなったんです。私が仕事の上で情報を得るためとか、何かの目的のためとかではなくて、お客様がほんの少しだけでも楽しいとか、寂しくないとか、そういう気持ちになれるのなら、出来る限り関わりたいと思いました。

お客様の娘さんにはなれないけれど、ご家族にはなれないけれど、お客様が寂しくならないように関わりたい。
ご自宅に帰りたいのかも知れないけれど、でも「ここに居るのも、案外悪くないわ」と、ちょっとでも感じて頂きたい。
お客様の手を握ってお話を聞くことで、お客様の心が少しでも安らぐのなら、わたしはもっとお話相手になりたい。
「お客様と関わる」って、本当はこういうことなのかと、初めて気付きました。

そしてまさか私が、そんな気持ちになるとは思ってもいませんでした。
この気持ちの変化に一番驚いているのは、私自身です。
厨房の外に出て、私の中で何か小さな変化が生じたんでしょうね。

ここで働いている職員は、それぞれに専門領域があって、それぞれに役割を担っています。みんなが何でもかんでもやることが、お客様を丸ごと受け入れていることになるとは思いません。でも、私たちは、各専門分野を担うプロフェッショナルであると同時に、万葉の郷という施設の一職員でもある。この施設をご利用頂いているお客様に対して、この施設の一職員としての向き合い方、関わり方があると思うんです。

本当にちょっとしたことかも知れませんが、日常の暮らしって、こういうちょっとしたことの積み重ねみたいな気がします。お客様の気持ちに応えたい、ご家族の思いに応えたい、この気持ちこそが、今の私の原動力になっています。

お客様の要望や体調の変化を
すぐに食事へ反映できる施設を
創りたい

管理栄養士の役割として、お客様の健康面をよりよくするためのサポートはもちろんなのですが、日常の暮らしの中でお食事を楽しみに暮らしているお客様へ、美味しく楽しい食事を提供したいですし、お客様の要望をすぐに提供できる施設を創りたいんです。

例えば、ご自宅での暮らしをイメージすると、お母さんが「今晩何食べたい?」と家族に投げかけると、お父さんは「とんかつ」子どもたちは「カレー」おじいちゃんやおばあちゃんは「刺身」「天ぷら」といったように、それぞれ食べたいメニューをリクエストする。その日のお天気でも気分は変わりますよね。暑い日だと、ごはんよりもさっぱりとしたそうめんがいいいとか、逆に寒かった日は豚汁等の温かい汁ものとか煮込み系が欲しくなるとか。

家庭の食卓だと、お母さんはその日の家族のリクエストや「今食べたいもの」を今夜の晩御飯のメニューにして、夕ご飯の支度をしてくれるじゃないですか。

施設だと、2か月前に献立を立てて、食材を発注して、予め決められた内容で食事を提供するので、なかなかその機敏な対応が難しかったりするんです。それができるようになれば、より家庭の暮らしに近づいた日常をお過ごし頂けるのかな?と思うと、施設という大人数が暮らす中で、どうやったらそれが実現できるのか、方法を探りながらチャレンジしていけたらいいなと思います。
お客様を食事で笑顔にしたいという気持ちを持って、美味しく楽しい食事を1日も長く、経口摂取して頂けるように取り組みたいです。

休日は友人と外出して
食べて遊んでリフレッシュ!

お休みの日は友人と食事に出かけたり、買い物に出かけたりしています。高校時代の友人がいわき市や郡山市にいるので、そこまで私が遊びに行ったりすることもあります。外に出ている方がリフレッシュできるし、目新しいお店に食事に行ったりすると、色々と食事のアイディアが広がったりするので刺激が得られます。盛り付けの工夫とか、食材の組み合わせとか。思いもよらない食材の組み合わせがすごく良かったりして。そんな発見があると、すぐにスマートフォンで写真を撮って、忘れないようにメモを残しておくんです。アレンジを加えて次の献立で出そうと思って(笑)。

でも一番のリフレッシュは、ライブを観に行くことですね!好きなアーティストのライブであれば、東京や名古屋、北海道にも友人とライブに行ったりします。そして行った先でまた、ご当地グルメを堪能するんです(笑)。

湖星会への就職を検討している
学生の皆様へ

湖星会の強みは、やはり直営で柔軟な対応ができるところだと思います。食材の仕入れもある程度任されているので、魚ならあの店、お肉ならどの店と、本当に美味しいと思える材料を仕入れて、納得のいく美味しい食事をお客様へ届けることができます。そして、お客様へ美味しいお食事をお届けするための「こだわり」をとても大切にするところが、湖星会の魅力だと思います。ですから、やりたいことにどんどんチャレンジできる環境もあります。

お客様との距離も近いので、自分が提供した食事の評価がリアルタイムに直接知ることもできます。お客様の表情付きで(笑)

それが自分のモチベーションにもなっていますし、やりがいを大きく感じるところでもあります。そんな経験を重ねながら、日々成長できるところです。是非遊びに来てみて、施設の雰囲気を感じてみて下さい。きっと万葉の郷が大好きになると思います!

Profile

福島県白河市出身。会津大学短期大学部 食物栄養学科 卒。
平成26年4月、栄養士として入職。入職後は、地域密着型特別養護老人ホーム万葉の郷栄養課に配属となり、栄養士業務から調理業務まで幅広く経験する。入職後、3年の実務経験を経て管理栄養士国家試験を受験し、見事一発合格。管理栄養士資格取得後は、これまでの栄養士業務に加え、ご入居されているお客様お一人おひとりと向き合いながら栄養ケアマネジメント業務に積極的に取り組んでいる。
「美味しい食事でお客様を笑顔にしたい」をモットーに、数値ばかりを意識した食事ではなく、毎日の暮らしと人生を豊かにする美味しく楽しい食事の提供に果敢にチャレンジする若き管理栄養士。

管理栄養士・栄養士の先輩インタビュー