先輩の活躍

入職7年目
リーダーとしての責任と
仕事のやりがい

特別養護老人ホーム みどりの郷

平成23年 新卒入職

介護職
ユニットリーダー

山内 景子 さん Keiko Yamauchi

入職してから現在まで
あっという間の7年間だった

今思い返せば恥ずかしくなるくらい、あの頃の私は何も考えていなかった。私が入職した頃は、湖星会はみどりの郷とオハナハウスの2拠点だけで、新卒で入職した同期は23名。仲間も多く「まずは3か月頑張ろうね!」と、何もかもが初めてのスタートでした。入職後すぐに、みどりの郷の長期入所ユニットに配属となりました。あの当時は、今みたいな完成度の高い業務マニュアルや24時間シート(※1)はまだなく、勉強会や研修も現在ほど充実しておりませんでした。先ずは「習うより慣れる」という雰囲気の中、すぐに介護現場にポンと投下された感じでした。(笑) その日ごとに新しい発見や課題が次々に現れ、毎日が勉強。今、目の前にある課題を1つずつ調べて、解消して、その繰り返しであっという間に半年が過ぎ「半年が過ぎたから、今度は1年頑張ろうね!」と同期の仲間と励まし合いながら、とにかく毎日の業務をこなすのに精一杯でした。
入職して1年が過ぎた頃から「どうやったらお客様が喜んでくれるか」ということを考える様になり、同時に「お客様には身体介助だけではなくて、色々な面でケアが必要」と自分なりに感じて、介護について積極的に勉強するようになりました。

入職して1年半が過ぎた頃、施設内の定期異動で今度はショートステイのユニットへ配属となりました。これまで自分が配置されていた長期入所は、この施設がお客様にとってのご自宅であり、終の棲家として暮らしている方々の日常生活の支援を最期の日まで行うというものに対し、ショートステイは普段はご自宅で暮らす方が、週に数日間、或いは不定期にお泊りに来られるところなので、これまでの長期入所のお客様とは雰囲気もガラリと変わり、また違った楽しみや面白さが見えてきました。ご自宅と施設間の送迎にも添乗することが多く、ご家族と直接関わる機会が増えました。ショートステイのご利用が終わり、ご自宅にお送りすると「おかえりなさ~い!どうだった?楽しかったかい?」と、温かくお客様をお迎えするご家族もいらっしゃれば、お客様のご帰宅を快くお迎えしないご家族もいらっしゃいました。

「早く死んでほしいんだよね・・・。」
ご家族の言葉で
私のスイッチが入った

ある日、お客様のショートステイの終了日に私はいつもの様に送迎に添乗し、お客様をご自宅にお送りに出ました。そのお客様は認知症の症状が進行しご自宅の至る所に放尿され、ご家族が近づこうとすると「何するんだ!」とご家族の手を払いのけ、終わりのない徘徊が始まり、ご家族での介護が限界となりショートステイを定期的にご利用されている方でした。ご自宅に到着しお客様をご家族の元へお届けすると、お客様は自宅に入ると同時にそわそわと徘徊が始まりました。
ご家族はその様子を遠目で見つめながら「また現実に戻ったね。」とため息交じりで仰り、「お世話様だったね。うんと迷惑掛けたんじゃないかい?」と、私たちに労いの言葉をかけて下さいました。

「もう早く死んでほしいんだよね・・・。」
何かの聞き違いかと思いました。今、ご家族の口から出た言葉。
「一生懸命やってんだけどね。」
苦笑いしながら、すごく悲しい目で、そう仰るんです。
私は呆然と立ったまま、ご家族に何の言葉も掛けられませんでした。
お客様は、そんな私たちのやり取りから少し離れたところで、家の中をまだ徘徊していました。

このご家族は、本当に自分の親に早く死んでほしいと思っているのだろうか?
早く死んでほしい人に、果たして一生懸命在宅介護をやるだろうか?
お客様とご家族、お二人の姿を前に、ゆっくりと自分の中に沸き起こる感情を感じました。衝撃の言葉は、追い詰められたご家族のSOS。ご家族にも幸せになって欲しい。入職してから今まで感じたことの無い強い決意の様な感覚というか、何でしょうね。私の中で何かスイッチが入ったんです。

「早く死んでほしい」なんて、
もう二度と言わせない
そのための私たちでありたい

3年間のショートステイ経験では、長期入所経験時代とはまた違ったことを多く学びました。色々な家族がいるんだな、それぞれに事情があり、施設利用に至る背景も様々なんだなと多くの現実を見てきました。
私たちが介護サービスを提供するお客様は、施設をご利用になるお客様本人。でも、その向こう側には家族が居て、お客様に喜んで頂けるような生活支援やケアを行うことは、その向こう側にいらっしゃるご家族の幸せにも繋がってくることなんだと思います。介護施設は地域の中に絶対に必要だと、私たちの存在意義というものを肌で実感しました。自分の親を「早く死んでほしい」と言ったご家族との出会いは、私の中では大きかったです。
どちらかと言えば「一生懸命やってんだけどね」と仰った時のご家族の表情が忘れられない。本当に苦しかったんだと思います。
在宅で一生懸命家族の介護を担うすべての方に、自分の親を「早く死んでほしい」なんて、もう二度と言わせたくないんです。そのための私たちでありたいと、心から思いました。

ユニットメンバーの成長が
何よりも嬉しい
リーダーとしての責任とやりがい

以前は、自分が出来なかったことができる様になることがすごく嬉しくて、仕事のやりがいとかモチベーションは全てそこにあった感じでした。例えば、何度声がけしても受け入れて頂けなかったお客様と初めて会話ができた時の喜びとか、今の事を今忘れてしまうお客様が私の名前を覚えて名前で呼ばれた時の感動とか。
でもリーダーとなった今は、ユニットのスタッフの成長を感じる瞬間が、一番嬉しい。自分の持っている知識や技術のすべてを伝えたい。お客様と向き合う姿勢も。
私が入職して間もないころは、どちらかと言えば先輩職員の背中を見て学ぶ、技術は見て自分のものにしていく、といった雰囲気で、時間が出来た時に先輩職員がマンツーマンで技術的なことを教えて下さる感じでした。ですから、その場その場行き当たりばったりで、根拠となるものがないまま適当にやっていたところもあったんですね。 でも、きちんと勉強して仕事に向き合うようになってからは、仕事が面白く、楽しくなっていった。だからこそ、今、新しく入職してくる若い方には、1日も早くきちんと仕事に向き合い、仕事の面白さを知り、楽しく働いて欲しいと思うんです。早ければ早いほどいい。今は、業務マニュアルもお客様の個人情報や日常生活の流れを事細かに記載した24時間シート等がかなり充実していて、現場に入る前にこれを事前に目を通しているだけでも全然違うと思うんです。現場に入ってからも、そのファイルを見ながらやってもいいし。
私は入職時から、リーダーをサポートする仕事に積極的に関わっていたので、リーダーがこんなことをすればきっとユニットのスタッフはやりやすいのでは?と考えながら仕事をしていました。だからいざリーダーになった時は、それを実現しようとやりたいことだらけ。(笑)
リーダーになる前となってからの違いは、やはり責任の違いです。リーダーは、ユニットのどのスタッフよりもお客様のことを知っていなければならないし、スタッフのフォローやメンタル面のケアも担い、決定事項についても自分が責任を持って判断しなければならない。そしてスタッフ全員がそれぞれ成長するためにはどうしたらいいのか、という事を常に考えています。リーダーとして一番難しいと感じるのは、この部分かも知れません。一人ひとりに成長して欲しい、でも一人ひとり成長スピードも感じ方も違うから工夫が必要で、根気も要る。それでも、お客様に喜んで欲しいし、スタッフがそれぞれに目指す「なりたい自分」や「実現したい夢」を達成できるようになって欲しい。
自分がいっぱいいっぱいになってしまう事も度々ですが、私がヘタって笑顔が消えてしまっては、お客様の笑顔もスタッフの笑顔も引き出せない。だから今日も笑顔で頑張る、というところを行ったり来たりしている感じでしょうか。私もまだまだだな、と思います。
でもその分、スタッフの成長を感じる瞬間は本当に嬉しいです。

休みの日は夫婦でドライブ
最近は道の駅巡りにハマってます

昨年末に結婚したのですが、結婚してからは、休みの日にまとめて食材調達に買い物に出かけます。車で30分位のところに、とっても安いスーパーを見つけて。(笑) そして帰宅後は、夕食の支度をしながらのんびり過ごします。夫は掃除も洗濯もお買い物も積極的にやってくれるのでとても感謝しています。同じ介護の仕事をしているので、家事全般はパーフェクトです。夫と休みが合う時は、車で遠出します。最近は道の駅巡りにハマっていて。福島の霊山町や山形の米沢にも新しく道の駅が出来たので行きましたね。あとは、宮城県まで大型ディスカウントマーケットやアウトレット、ショッピングモール等に出かけたりします。これからの季節は、海もいいですよね。湖星会は年間休日日数がまた増えて、今はリフレッシュ休暇で連休も取れるし、バースデー休暇やハッピーデー休暇などもできて、有給休暇と合わせたら年間135日はお休みですから。プライベートもしっかり充実させて、仕事と家庭を無理なく両立できています。

※山内さんは、湖星会に同期で入職したご主人と昨年末にご結婚されました。おめでとうございます!

 

これから挑戦したいこと
仕事もプライベートも
人生を丸ごと楽しみたい

今、私が配属されているユニットは、寝たきりの方が半数、自立で動ける方が半数ぐらいいらっしゃいます。お身体の状態が大きく違う方が混合で暮らすユニット内において、みんなが楽しんで満足できるイベントを企画して、お客様と職員が一緒に楽しめるイベントをもっと増やしていきたいです。
プライベートでは、仕事と家庭を両立させて、とにかく楽しみたいです。
結婚式の後、8日間の長期休暇を頂いたのですが、その休暇を経験して仕事に対する考え方が少し変わったんです。仕事は、人生を楽しむために働くものだと(笑)。だからこれからは、仕事を楽しんで、プライベートも楽しんで、人生を丸ごと楽しみたい。
それが、私がこれから挑戦したいことです。

湖星会への就職を検討している
学生の皆様へ

実は私は、卒業時までこれといってやりたいことが見つからず、公務員から民間企業まで色々な会社を15社近く受験したり、様々な業界の説明会にも参加しました。数社から内定も頂いていたのですが、結局最後までやりたいことが見つからなかった。
いよいよ卒業時期が迫る中、介護のことも福祉のことも何もわからないまま、お給料も高いし自宅からも近いし、何となく地域や社会のお役に立てそうな仕事だな・・・と感じて湖星会に就職し、現在に至っております。見て、聞いて、情報収取してそれでもわからないときは、実際にやってみるという選択肢もありだと思います。
今は、湖星会はインターンの他にも学生アルバイトの制度があり、就職する前に実際に働く体験もできます。やりたいことが見つからず答えが出ない方、目指している道に迷いがある方、その気持ちは誰よりも良くわかるつもりです。私で良ければ相談にも乗りますので、是非一度遊びに来てみてください。色々お話ししましょう。

Profile

福島県二本松市出身。桜の聖母短期大学 英語学科(現:キャリア教養学科)卒。
入職後、特別養護老人ホームみどりの郷の介護部に配属となり、長期入所、短期入所それぞれのユニットで介護職として勤務。施設内に設置された実務者研修養成校(KOYAMA College)にて平成26年3月実務者研修受講修了、翌年度介護福祉士国家資格合格。平成28年、ユニットリーダー研修受講修了。
趣味は、ドライブとショッピング。湖星会に同期で入職されたご主人と昨年末に結婚し、休日が合えば夫婦揃って他県のショッピングモールまで遠出することも。最近は、道の駅巡りにハマっているとか。
平成29年12月より、特別養護老人ホームみどりの郷のユニットリーダーとして活躍中。

介護リーダー(ユニットリーダー)の先輩インタビュー