先輩の活躍

仕事を通じて人生を学ぶ
介護の仕事は私の天職!!

特別養護老人ホーム
ラスール金沢文庫

平成30年7月 中途入職

介護職

辻田 龍太郎 さん Ryutaro Tsujita

70歳まで働く時代
美容師からの大転身

両親は美容室を営んでいて、私はそこで生まれ育ちました。父は理容師で、母が美容師です。実家で営む美容室ですが、両親共に店に出て働いていましたので、四人兄弟の長男として弟や妹の面倒を見ながら、両親の背中を見て育ちました。
物心が付いた頃から、自分も将来は美容師になって実家を継ぐものだと思っていたので、何の迷いも無くあたりまえのように美容師を目指しました。高校生になると通信教育で美容師の受験資格の一つである専門課程(通信課程)を受講し、高校在学中に修了、そして高校卒業後は、インターンとして美容室に勤務し、美容師の資格を取得しました。その後約10年以上美容師として働いていました。

仕事にも慣れ30代に差し掛かった頃、漠然とですが自分の将来について考える様になりました。将来を見据えた時、60歳、70歳になっても美容業界の現場の第一線で自分は活躍できているのだろうか・・・。スーパーカリスマ美容師とかは例外ですけど、この業界、雇われの美容師では、正直家庭を持って家族を養っていけるだけの収入は見込めないのが現実。仕事面でもプライベートも、自分の将来の姿がどうしても描けないんです。

「自分の人生、本当にこれでいいのか?」と。
いつも頭の片隅にあった自分の人生の本題みたいなものに、焦る気持ちと、微妙にかみ合わない現実とを感じながら過ごしていました。もう社会人になって10年、自分で店を持つか、実家を継ぐか、それとも思い切って全く違う世界に転身するか…。

「自分が知らないだけで、実は何かすごい面白い世界があったりして・・・。」

美容業界しかわからない私は、急に他の世界を見てみたくなりました。じゃあ、何をしようか・・・。考えても答えが出ないなら、先ずは何でもやってみよう!と思い、カラオケ店、自動車メーカーの孫請け工場、営業職等、とにかく色んな業界を経験してみました。

それぞれに仕事の面白さがあって、私はその時々を目いっぱい楽しみました。毎日が楽しい世界ではありましたけど、何かを掘り下げて極めたり、自分自身を高めていったり、技術を磨いたり、どこもそういう世界とは違った。そういうことを求められる世界でもなかったというか。だから、自分の生涯をかけて続けていく仕事か?と考えると、どれもしっくりこなかったんです。
一に技術、二に技術の美容師の世界しか知らない自分だから、なおさらそう感じたのかも知れません。常に勉強したり技術を磨いたりしている方が、自分自身しっくりくるんでしょうね(笑) 。

世間のイメージと
当事者とのギャップが面白かった
介護の世界

ある時テレビを観ていたら、介護業界の密着ドキュメンタリー番組が始まって、つい見入ってしまいました。一応私も長男ですから、将来両親に介護が必要になったら…、という思いは常にどこかにあるんでしょうね。「介護」っていうワードに敏感に反応する自分がいました。

介護は人手不足が叫ばれる業界なので、今の時代、誰でも介護職員に「なれる」と思われがちだけど、でも、誰にでも「出来る」仕事じゃないんですね。

人の命を預かる仕事だから、医療的な知識も必要だし、介護の知識も技術も必要、耳が遠かったり視力が弱かったり、お身体が不自由だったり認知症だったり、色んなお年寄りの方とのコミュニケーション力も必要、24時間365日看ていく中で色々な専門職スタッフとのコミュニケーション力も必要なんです。

初任者研修、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャー、社会福祉主事任用資格、色んな専門資格があって、それぞれに役割がある。面白いのが、最初からその仕事を目指す人ばかりでなく、介護の仕事をしていく中で専門の資格を取って、また別の専門職に就いていく人もかなりいるという点。
介護の世界でこれだけ色んな専門領域があって、いつも勉強して知識や技術を習得している人たちなのに、世間一般の人の介護職のイメージは「下の世話」とか、「厳しい労働環境」、「薄給」が全面にくる。

でも、現役の介護職の方に介護の仕事についてインタビューすると、「感動2倍、幸せ2倍、悲しみ半分」とか「沢山の笑顔に出会える仕事」とか、「人として大きく成長させてもらえた仕事」とか、そんな答えなんです。
「仕事で大変な事は?」と質問すれば、「入居者さんの気持ちを十分に汲み取る難しさ」とか、「もう少し人手にゆとりが欲しい」、「職場の人間関係」と答えていて、世間一般のネガティブなイメージの部類の答えは意外にも挙がらないんですよね。このギャップって、何だ?と。

逆に「仕事で一番の遣り甲斐や喜びは?」の質問には、「利用者さんやご家族からのありがとうの言葉。」とか、「誕生パーティーを開催した時、利用者さんも、ご招待したご家族さんも涙を流して喜ばれた時。私も他の職員ももらい泣きしました。」、 「誰の事も拒否する認知症の利用者さんが、私を受け入れてくれた瞬間。」、「出勤時、私の姿を見つけた入居者さんが私に向かって一生懸命来てくれたこと!」とか、そういう答えなんです。
人から感謝され、人から必要とされること、それが遣り甲斐になっていると多くの介護士さんが答えているんです。

自分も美容師として長年働いてきていたので、お客様からの感謝の言葉とか、お客様が自分を指名して下さった時に
「自分を必要としてもらえた」という喜びとか、すごく理解できるんです。だから、介護士さんたちの言葉にとても共感できたんですね。

会社は潰れても、私は潰れない
社会が求める専門職の強み

そのテレビを観て、介護業界ってどうなんだろう?と、自分がこれから働く職業として、介護の仕事に目が向いたんです。それまで考えてもみなかった世界なんですが、介護技術や知識を身に付け、勉強して資格を取得し、自分の生涯をかけて働く仕事として、何かとても魅力を感じたんです。先ず、専門職として働く事が良かったですし、現役の介護士さんが語る仕事の遣り甲斐に共感できる部分が多くあった。

美容業界以外を覗いてみたくなり色々な世界で働いてみましたが、どの職場も少し売上が下がると店が潰れるとか、新規事業が芳しくないと組織の統廃合でリストラ者が出たりとか、同じところで働いていた人たちは、いつも自身の雇用に怯えながら仕事をしている一面がありました。仕事そのものが楽しくても、常に一縷の不安がつきまとってくる。
でも、それを解決するには、社会から求められる職に就いて、自分自身の専門性を高めて、会社は潰れても自分は潰れない、そういう自分になることが結局は大事なんじゃないのかなって。

人間が生きている限り、介護の仕事は今後絶対になくならないだろうと思った。そして、これからますます社会から必要とされる介護の仕事は、自分自身に技術や資格をしっかり身に付けていれば、全国どこへ行っても「職」にありつけないことは恐らくないだろうと思いました。少子高齢化や過疎化問題で、子どもや若い人が少ない地域があるという話はあっても、お年寄りが少ないという街はあまり聞きませんから。これからの時代、間違いなく介護だと思いました。

でも私には、どうしてもすんなりと介護の世界に飛び込めないトラウマの様な古い記憶がありました。

実は美容師時代に、老人ホームに足を運ぶ機会って結構あったんです。何か所かの介護施設へ定期的に訪問美容に出向いていたんです。どの施設も全体的に薄暗くて、建物もあまりきれいとは言いにくいところ。昔の暗いイメージの老人ホームという感じで。お年寄りの方を車椅子に乗せて次々に連れて来るんですけど、人を「連れてくる」感じじゃないというか、「運んでいる」感じですよね。どの施設も、スタッフさんはいつも疲れている印象でした。中でも、とある老人ホームではどのスタッフさんもみんな全体的にイライラしていた。入居されているお年寄りに対する接し方、話し方がすごく威圧的で、口調はいつも命令口調。そんな状態だから、お年寄りの方たちは皆さんいつも怯えて萎縮していた。笑顔もなく、会話もなく、まるで自分の存在を一生懸命に消しながら、音を立てないように静かに暮らし、静かに呼吸をして生き延びている様だった。その姿を見るたびに、もう胸が締め付けられる思いでした。美容師として出向いている自分達も委縮しちゃうぐらい、そこの施設で働いている中年の女性たちは、いつもイライラしてお年寄りに命令していました。

そういう経験があったせいか、どうしても老人ホームの印象が悪く、歳を取ったら将来はこういうところに入って、こうなるのかと思うと、ゾッとした記憶だけが色濃く残ってしまったんです。将来もし自分の親に介護が必要になったら、その時はもう覚悟を決めて、自分で自宅で親を看ようかと思ったぐらい。とてもじゃないけれど、あんな地獄みたいなところに自分の親は預けられないと思った。老人ホーム=胸が苦しくなる場所、切なくなる場所、できれば立ち入りたくない場所になっていたんです。もうトラウマになっていた。
介護の仕事には興味がある、でも、介護施設でのあの記憶がどうしても自分の脳裏から離れない。なかなか一歩を踏み出せずにいました。

あ、そうだ!
ご近所さんに聞いてみよう!!
この情報収集がご縁となり
今の自分がある

そんなある日、ご近所の方が実家の美容室に来店されました。それこそ、私が子どもの頃からずっとご近所さんとして顔馴染みの方で、実家の美容室にもよく来て下さる方。私の成長過程を全て知っている様な方です(恥)。
その方は、私が小さい頃から地元の大学病院で長らくナースをされていたんですが、最近介護業界に移られたと聞いてました。その方のご姉妹も介護業界で仕事をされていることを知っていたので、介護業界の事を色々と聞いてみたんです。
自分が今、介護の世界に関心があって、仕事として本気で考えたい気持ちを伝え相談に乗って頂きました。もちろん、トラウマの件も含めて。
するとその方は
「ちょっと、あなたそれ一体いつの時代の話ししてんのよ。浦島太郎じゃないんだから(笑)。 今の時代、そんなことしたら虐待、大問題よ。」と、笑って一蹴されました(笑)。

「まあでも確かにね、施設にもよるけど、昔はそうゆう時代があったのも事実よね。でも今は全然違うわよ。私が勤める施設なんかは特養だけど、もう建物なんて、私たちの家なんかよりはるかに立派よ。食事もいいし、部屋なんてみんな個室だしね。職員の教育体制もすごく充実しているし、接遇教育もかなり力を入れている。そんな職員は先ず居ないから。少なくてもうちの施設には居ないわね。そんな事が今の時代に横行していたら、もう大変よ。大体にして、私が許すと思う?この私が(笑)」そう続けて話されました。

「エッ??そうなんですか?」

確かに、私が訪問美容に出向いていたのは、今から15年以上も前。目をまん丸にして驚く私を見て「一度うちの施設見学に来てみる?現代の(笑)施設をよく観てごらんよ。うちだけじゃなくて、他にも地元の介護施設あちこち見学に行ってみたら?ハローワークの窓口で介護の仕事検討していると相談すれば、きっと何か所か施設見学の提案もしてくれると思うわよ。介護を仕事にするかしないかは、その後ね!」と、先ずは施設見学してみることを勧めてもらいました。
私は早速ハローワークの窓口へ出向きました。

ハローワークの窓口の方からは 「介護業界に行くのなら、初任者研修の資格を先に取得しておいたほうが仕事に結びつきやすいから、先ずは資格を取得したらどうか?」と提案されました。
話を伺えば、今はどの施設も人手不足で、異業種からの転身で入ってきた人にゼロから仕事を教える余裕のないところが多く、折角この業界に目を向けて転身してきてくれた人なのに、途中で挫折してしまう人も多いというのです。
だから、初任者研修の資格を先に取得して、最低限の基礎知識を備えて施設に入っていった方が、たとえ仕事を十分に教えてもらう事が叶わない環境だったとしても、何も無いで入っていくよりは頑張れるのではないかと。あとは、施設によっては、40代の男性が異業種から転身してくるという場合には、初任者研修の資格を持っているのといないのでは、選考時の評価も変わってくるというアドバイスでした。すごい説得力のあるアドバイス。もし私も、これからいくつか施設を見学してみて、本当に介護を仕事にする決意をした時には、先に資格を取得してから働き始めようと思いました。

他の施設を凌駕するインパクト
ダントツに驚いたのは
職場の中に学校があったこと

早速、施設見学の調整をしていただき、地元の介護施設数か所を見学しました。
見学に行った施設は、どこも従来型で建物は若干古く、昔訪問美容で出向いていた施設を彷彿とさせる施設が多かったのですが、一歩足を踏み入れればどの施設も職員の方たちは皆さん優しい口調でお客様と接していて、お客様を楽しませようと色々な取り組みを行っていたり、少人数規模で車で外出行事をされていたところもありました。あの頃の様な悪い印象の施設はどこもなくて「ああ、時代も施設も変わったんだな」と、私が美容師として仕事で施設を訪問していたあの頃から15年の月日が流れたことをしみじみと感じました。

地元の施設を幾つか見学した後に、ラスール金沢文庫も見学しました。
私がそれまで見学した施設の中で、ダントツで印象が良かった。
建物、住環境は高級感があって、全室個室ユニット型だから入居されているお年寄りの方は個室で暮らしていますし、ちょっと高級なシェアハウスで暮らしている感じがしました。プライベートもありながら、でも寂しくない暮らしがそこにはあった。職員の方とご入居されているお客様との距離感というか、関わり方もすごくいいと思いました。

そして何より一番驚いたのは、ラスール金沢文庫の施設内には、介護福祉士取得のための実務者研修の学校が設置されているという話です。施設見学を対応して下さった職員の方からその話を聞いた時は、本当に驚きました。
私は介護の資格も経験もないので、先ずは初任者研修を取得してからと考えていたことを話したところ、ラスール金沢文庫では無資格未経験で入職しても3年後には介護福祉士の国家資格を持つことも可能だと伺いました。しかも、職員は無料で利用できて、多くの職員さんがその制度を利用して資格を取得しているとのこと。それだけでも十分ありがたい制度なのに、その資格を取得すると基本給も上がり、更に資格手当も付いてくるというのです。
職員さんからは「初任者研修もいいと思うけど、でもせっかくこの業界に身を投じるなら、国家資格目指してみたら?」とアドバイスをもらいました。

色んな施設を見学してきて、もう昔の様なひどい施設はどこもなく、自分の中のトラウマはある程度払拭することができました。そして、ラスール金沢文庫の施設を見学したその日、私は本格的に介護の仕事を目指してみたい気持ちが一気に高まりました。だって、まさか施設内に職員のために学校まで設置しているなんて、誰が想像しますか?
ラスール金沢文庫をよくよく調べてみたら、全国にいくつも施設や病院を展開している大きなグループの一つでした。どおりで、教育体制の充実は他のどの施設よりも各段に良かったはず、納得です。

ハローワークの窓口を訪ねた際には色々な施設の求人票を紹介していただきましたが、ラスール金沢文庫は周辺の施設に比べてお給料や全体的な労働条件も良かった。そして何より、私みたいな業界初心者でも、働きながら職場内の学校で学んで国家資格が取れる充実の教育体制は魅力でしたし、施設の雰囲気がどこよりも良かった。私のトラウマを大きく払拭してくれた。私はラスール金沢文庫の採用試験にチャレンジすることを決めました。

知れば知るほど奥が深い
介護の世界

ラスール金沢文庫に入職して、介護について学べば学ぶほど、この仕事の奥深さを感じます。
施設をご利用になるお客様との何気ないやりとり、対応一つにしてもその時その時で場当たり的な対応をしているだけとこれまで思っていましたが、実はそうではなかった。

お客様一人ひとりにケアプランというものがあり、そのプランに沿って日々の暮らしを私たちはサポートしていく。そして、一人ひとりの情報、1日24時間の中での暮らしのペース、こだわり、自分でできることと出来ないことなどその人個人の色んな情報を24時間のスケジュールシートに落とし込んだファイルが存在していて、これを「24時間シート」と呼んでいるんですけど、こういうファイルを職員は日々作り込んでいて、お客様一人ひとりに合わせたケアを実践するんです。個別の介護マニュアルの様なものです。

例えば、ある方のシートを見ると、朝7時のところに「起床」とあるんですが、その脇には「目が覚めると、ご自身でリモコンでテレビのスイッチを入れ、20分程度テレビを観てから起きるので、部屋のカーテンは半分だけ開ける。」と書かれている。起床介助のところには「上着は自分で着替えができるが、ズボンの脱着と靴下の着用には支援が必要」と記されていたり、「洗面時に使用するタオルはお絞りサイズのハンドタオル」と記載されている。8時のところには「トイレ、要誘導」と書かれていたり、8時半のところには「朝食」「朝はコーヒー(ブラック)とパン食。パンは食パンのみ。」と書かれています。

こんな風に、その方が大体何時ごろにどんな行動をとられるのか、そして、その時に使う物や、その方のこだわりとか、日常生活を送る中でのあらゆる情報が詰まっているファイルです。もちろん、人間ですからその時間通りに必ずそれをするとは限らないので、あくまでもおおよその目安として活用していくんです。職員がこの情報を掴んでおけば、7時頃になればその方の居室に様子を伺いに行き、まだ就寝中ならもう少し様子を見るとか、先に先に行動を推測しながら動くことが可能になってくる。限られた人数の職員でユニットのお客様のケアを対応していく上で、事前にスケジュールを立てたり優先順位を立てたりすることができる。そして、出来る事、出来ない事を事前に知っていてれば、一人ひとりのお客様に適切にケアにあたれる。

お客様に変化があれば、またこの冊子の内容を更新して、いつも最新の状態で作っておくんです。職員間で情報を共有して、これを見ながらお客様のケアにあたり、24時間365日、どの職員であっても、お客様に安定したケアをお届けするために、すごく重要なファイルなんです。

こういったファイルの存在なんて、ここで働くまで知りませんでした。もちろん、どの施設でもやっている事ではありませんが、こんなにも一人を深く見つめて、向き合って介護をしているという事実を私はラスール金沢文庫に入職して初めて知りました。介護施設での取り組みを知れば知るほど、介護の仕事って、本当に奥が深い世界だと感じます。

お客様の喜びが、私の喜び
お客様、ご家族、職員
みんなで創り上げる施設が理想

元々、人と関わることは好きなので、お客様と関わりながら色々お話している時間が今は仕事の中で一番楽しいと思う時間です。
色んなお客様がいらっしゃいますが、お客様とのやり取りの中で「ありがとね」とか、感謝の気持ちを伝えて頂いたり、言葉じゃなくてもそんな気持ちを感じ取った時は、本当に嬉しくて、仕事の大きな励みになります。
いつだか観たテレビで介護士さんが言っていたことが、手に取る様にわかります。

あとは、ご家族が来所された時ですね。ご家族が来られると、お客様はとても喜ばれて。お客様が喜ばれる様子を見るのは私も嬉しいです。頻回に来所されるご家族様もいらっしゃって、そういったお客様は、喜ばれるというよりは、むしろあたりまえの日常という感じです。
「今日午後から娘さんお見えになりますよ」とお声がけすると「だからなに?いつもの事よ」と仰ってます(笑)。

でも、それはそれでいいものです。ラスール金沢文庫にご入居されて「ここが私ん家。」って感じて暮らして頂いて、まめにご来所して下さるご家族とここで団らんして、お客様にとってみれば、ここで普段通りの暮らしを送る。

私たちは日々お客様を観察したり情報を集めたりしながら、お客様に喜んでいただけることを色々とやってはみますが、でも、どんなにやっても、家族にはなれないということも知っています。だから、私たちでできること、お客様へ届けられる幸せは精一杯お届けしながらも、やはり家族じゃないとできないところはご家族がいつでも気兼ねなく施設に来て頂いて、お客様との時間を過ごしていただくことが出来れば、これって、すごく理想的な形だと思うんですよね。

一方的にケアをするのではなくて、あくまでもお客様が主役の暮らしがラスール金沢文庫にはあって、お客様のできない部分を私たち職員が補い、出来る部分を引き伸ばしたりしてサポートしながら、日常生活を送る。そしていつでもご家族がそこに参加できる。職員だけで施設を創るのではなく、職員とお客様だけで築くのでもなく、お客様とご家族と私たち職員で創っていく施設。地域の方も一緒に創っていく施設。そんな施設って、凄くいいと思うんです。

やっぱり私も長男なんで、どうしても自分の親が将来介護施設を利用するようになったら、とか、そんな目線で考えちゃうんです(笑)。でも、そんな風に当事者意識を持って「もし自分だったら」とか、「もし自分の親だったら」と常に考えて行動することは、まさしく湖星会の法人の理念である「自らが受けたいと思う医療と福祉の創造」そのものだとも言えます。「自分の親を託したいと思える施設」、そんな施設創りにこれからも挑戦し続けたいと思います。

目標は、介護福祉士の資格取得
質の高いケアの提供を目指すことが
自分の成長にも直結してくる

今の私の目標は、先ずは勉強して介護福祉士の資格を取ることです。それと同時に、介護の技術力を高めることを目標に日々の仕事を頑張っています。

ラスール金沢文庫に入職したての頃は、プリセプター役の先輩職員が自分の教育担当として付いて下さり、先輩職員から仕事を教わりながらできる事が一つ、また一つと増えていく事が楽しくて、時間が経つのがあっという間でした。お客様からお叱りを受けて落ち込んだり、「ありがと」と言われて頑張れたり、仕事でミスして落ち込んだり、同僚や先輩職員たちとの交流で励まされたり・・・。でも、独り立ちして自律的に仕事を担うようになると、楽しいとか、つまらないとか、そういう次元ではもはやなくなります。

今、「仕事が楽しいか?」と聞かれたら、その答えは「楽しい」とはちょっと異なりますね。お客様の命をお預かりしている、お客様の人生をお預かりしているという「責任感」とでも言うのでしょうか。いつも一定の緊張感をもってユニット全体に神経を張り巡らせている。正直、楽じゃないです。大変です。
だから、「楽しいか?」と聞かれれば、「楽しいけれど大変です」と答えます。それが正直な答えです(笑)。

でも、「仕事に遣り甲斐はあるか?」と聞かれれば、「大いにある」と答えます。
ただ楽しいだけだったり、簡単に楽にできてしまう仕事に遣り甲斐って見付からない気がします。やっぱり、簡単じゃない、楽じゃない、大変な中にも「やって良かった」「諦めないで良かった」「喜んでもらえて良かった」というものがあって、初めて遣り甲斐は見出せるものだと思いました。

入職して未だ1年も経っていませんけど、私は今どっぷり介護の世界に浸かり、この仕事を通じて、色んな経験をして、色んな事を感じて、学んで、自分の価値観に影響が及んで、見方が変わって、本当に仕事を通じて沢山の事を学ばせて頂いているな、と日々実感しています。
だからこそ、お客様にはいつだって感謝の気持ちを持って接して、少しでも質の高い介護を提供できるようになりたいんです。そして、お客様に1つでも多くの楽しみ、喜び、幸せを届けられる介護士になりたい。

介護福祉士の資格取得は、それを叶えるための第一歩です。お客様を向いて仕事をして、より良いサービスを目指すことが、結果として自分自身を高めていることに繋がってきている様に思います。

湖星会での就業を
検討されている方へ

少しでも悩んでいたり、少しでも興味があれば、是非施設に遊びにきてみて下さい。大学や専門学校で社会福祉や介護について専門的に学んで来られた方も沢山活躍していますが、私のように、全くの異業種から転身している職員も多数在籍しております。
介護の仕事は資格を取ってからじゃないと難しいかな?と思われる方、特に未経験であればそう思われる方も多いと思うのですが、ここは教育体制がしっかりしているので、資格を未だお持ちではない方も、未経験の方も、先ずは是非ご相談下さい。

合同説明会のようなイベントに参加して、一度に沢山の施設の話を聞く事も有効だと思いますけれど、実際に自分の目で観て、感じてみないとわからないことって沢山あると思います。
かしこまる必要なんてありません。先ずは、気軽な気持ちで施設を見に来てもらうことがいいと思います。金沢文庫の駅から見えるところにあり、歩いて5~6分程度、駅からすぐの施設です。
私も施設長から背中を押されましたが、先ずは施設を見てみて、仕事をするかどうかはそれからでも遅くないと思います。お待ちしております!

 

Profile

神奈川県逗子市出身。
美容室を営む家庭に生まれ育ち、自身も高校卒業後は美容業界に10年以上身を置く。30代の約10年間は、社会を巡る旅に出て様々な業界を経験。2018年7月にラスール金沢文庫に介護職として入職し、40代で介護業界にデビューした。持ち前の優しい性格、丁寧な仕事ぶり、穏やかで謙虚なお人柄の辻田氏は、お客様やご家族様からも絶大な信頼を得ている。施設内で自主的に実施している「業務チェックテスト(服薬編)」では、愛ある厳しい看護長が試験官となり次々に不合格者が続出する中、見事、一発合格者に。これも、慢心なく基本に忠実な仕事への姿勢がそのまま出た結果であり、辻田氏の誠実さを物語るエピソードの1つと言える。
趣味は映画鑑賞と釣り。休日には葉山や横須賀、三浦海岸などで、黒鯛やカサゴを狙った磯釣りや防波堤釣りを楽しむ。潮風を浴びながら美しい景色を堪能できるこの時間が、最高のエナジーチャージになっているのだそう。

介護職の先輩インタビュー