先輩の活躍

お客様が夢中になれることを
個々に提案していきたい

特別養護老人ホーム みどりの郷

平成29年 新卒入職

介護職

菅野 五花 さん Itsuka Sugeno

身近なところに
福祉がある環境で育った

私の実家は花卉農家で色んなお花を育てているのですが、そこに障がい者施設や就労支援施設の方が働きに来て下さっているんです。そんな環境で育った私は、私がまだ小さい頃からの関わりの中で、働きに来て下さる方の役に立てる仕事がしたいなと漠然と思うようになりました。

高校に進学すると、自分の進路や将来について考える機会が増えますが、本格的に福祉について学びたいという思いが、私の中で一層強まりました。それは、子どもの頃から福祉は私の身近なところにいつもあった、ということもありますが、私が中学生の頃に、大好きな祖父がパーキンソン病で歩行が困難となったことが大きかった。子どもの頃からずっと可愛がってもらった祖父母に、何らかの形で恩返しがしたい、そんな思いもあって、福祉学部のある大学に進学しました。

大学では介護福祉コースに進み、福祉について広く学び、介護福祉士と社会福祉士両方の資格を取得しました。福祉といっても、その範囲はとても広くそれぞれに専門性がありますが、就職を考えた時、自分が進むべき分野をある程度決めなければなりません。子どもの頃に漠然とイメージしていた、実家に就労に来て下さっていた方たちを支える様な分野に進むのか、大好きな祖父母へ何らかの恩返しをしたい自分の気持ちを形にするのか、すごく悩みましたが、大学での実習などを経験して、高齢者の分野で就職することにしました。

職員もお客様も
よくしゃべり、よく笑う
どこよりも明るいみどりの郷に
一目ぼれ

大学は栃木県にありましたが、卒業後は故郷の福島に戻って就職するのもいいかな・・・という思いもあり、授業の合間を見つけては福島へ戻って色々な施設に見学に行きました。その中の一つが湖星会の施設でした。湖星会の施設見学では、万葉の郷とみどりの郷を見学させて頂きました。それまで沢山の施設を見学してきたのですが、湖星会の施設は際立って良かったんです。先ず、施設が明るかった。そしてお客様の表情がどの施設よりも良かった。笑っているお客様も多かったし、お客様同士も、職員とお客様もよくしゃべっていてよく笑っていた。

実は大学時代、ユニットケアの介護施設でアルバイトをしていたんです。その頃からユニットケアの良さを感じていて、自分も就職するならユニットケアに取り組んでいる施設がいいな、と思っていました。湖星会は法人設立時よりユニットケアに取り組んでいることは前情報でわかっていましたが、実際に施設に伺うと、働いている職員さん一人ひとり全員がユニットケアについて学び、理解し、実践しているということがわかったんです。「すごい!」と思いました。これだけ沢山の職員さんが働いていて、全員がですよ。

学生時代、相手の立場に立って考え、行動するということを学んできていた中で、湖星会の理念である「自らが受けたいと思う医療と福祉の創造」にもとても心惹かれました。掲げる理念、目指す目標に共感しましたし、それを湖星会の職員さんがみんなで実践していることに、自分が目指しているところと共通する部分を感じたんです。ご入居されているお客様お一人おひとりのお誕生日会をお一人おひとり開催する、その方のバースデーにその方のためだけのお誕生日会を開催するという、このこだわりを大切にしているところも、すごく惹かれました。

「ありがとね」「いつもありがと」
お客様の初めての声、
初めての言葉に込み上げる思い

あるお客様は、食事の前にいつも一緒に歌をうたって下さるんです。そしてまたあるお客様は、昔の話を色々と聞かせて下さったりする。

毎日の仕事の中で、こんな風にお客様と関われる時間は私にとって最高のひととき。特に入浴介助の時間は、個浴でお客様お一人おひとりとじっくりお話できる時間が生まれるので、私はその時間がとても大好きなんです。

でも、お客様によっては、ほぼ寝たきりの状態で、お話ができない方もいらっしゃいます。お声がけしても、体調がいい時は首を少しだけ縦に動かしたり横に動かしたり、瞼を閉じたり開いたりしながらご自身の意思表示をされる感じです。私は、その方によく声がけをします。「おはようございます!今日はすごく天気いいですよ。外は暑くなるのかな~?」と、朝のご挨拶から始まり、「お部屋入らせて頂きますね。お洗濯おわったもの、クローゼットに入れておきますね。」とか、「そろそろお風呂の時間になります。ゆっくり浸かってキレイさっぱり洗ってきましょうね!」とか、事あるごとに声がけを続けました。その日の体調にもよりますが、僅かに微笑まれたり、ほんの少し首を動かされたりして、それが私との日常会話なんです。
ある日、お風呂の準備が整い、お客様を迎えにお部屋に行った時の事です。
「お風呂準備できましたよ。今日もさっぱりしてきましょうね!」とお声がけして、いつもの様に室内履きの靴を履くのをお手伝いしていた時です。

「ありがとね」

自分の耳を疑いました。今、言葉が聞こえた。
驚いて、お客様の顔を覗き込むと、お客様は微笑まれていました。
「いつも、ありがと。」
確かに、しゃべった。言葉、しゃべった。

私は全身がカーっと熱くなりました。すごい興奮しました。涙がこぼれそうでした。
お客様の声を初めて聞いた日でした。お客様が言葉を話せることを初めて知った日でした。
声がけを続けてきてよかったと、心から思いました。

その後も、これまでと同じように、よくそのお客様には声がけを続けています。
僅かに表情が変化したり、目線が動いたり。そこから、お客様のお気持ちや意思を確認しながら、また次の言葉を私が投げかけます。お客様と私の、いつもの日常会話です。
今のところ、お客様の声を聞いたのは、後にも先にもその時の1回だけです。
でも、またいつかきっと、お客様の声が聞こえてくる日が来るのではないかと思って、毎日できるだけ声がけをしています。

「夢中になれること」を
暮らしの中で個々に提案していける施設にしたい

実は少し前に、配属のユニットが変更になったので、今はお客様をお一人お一人知ることから取り組んでます。

毎日同じ環境で同じ顔ぶれで暮らしていると、どうしてもダイニングにずっといらっしゃるお客様が多かったり、時々お客様同士の口喧嘩が勃発したり、ということがあります。もっとお客様が色んなことをして過ごせるように、その方お一人おひとりをよく知ったうえで、暮らしの中で個々に「夢中になれる楽しいこと」を提案していきたいんです。

歌が好きな方がいらっしゃれば、その方が歌を歌える時間や場面を創ったり、手作業ができる方には、器用な手先を活かして夢中になれる楽しいことを提案したい。その方がやりたいことがあれば、施設だからできないとかではなくて、できるように実現していきたいんです。身体が不自由という理由でそれぞれの欲求が制限されることなく、不自由な部分は私たちが補いながら、その方も目的が達成できるように取り組んでいきたいです。みどりの郷をここで暮らすお客様お一人おひとりにとっての「輝ける場所」にしたいのです。

休みの日は同期の仲間や友人たちと
食事に行ったり、旅行に行ったり

休みの日は、大学時代の友人と食事に出かけたり、湖星会の同期とお茶しに行ったりします。
大学時代の友人は、福島県内にもたくさんいるんですけど、東京や栃木、長野が地元の子も多くて。友達の地元まで遊びに行くこともあります。最近は「社会人になって1年頑張った会」という旅行を大学時代の友人と企画して(笑)。宮城県の松島まで旅行に行ってきたんです。
福祉系の大学だったので、大学時代の友人の殆どは介護施設に就職していて、お互いの仕事の状況なんかを話しながら、気心知れた仲間とお互い励まし合いながら過ごしてます。
友人の話を聞いて、同じ高齢者施設、特別養護老人ホーム、全室個室ユニット型施設といっても、法人が違えば取り組んでいる内容や実態にも大きな違いがあるんだなと感じました。先日も、悩める友人の話を聞いているうちに、「もう湖星会に来ちゃえば?!」なんて、思わず言ってしまいました。
やっぱり誰だって、お客様の事を一番に考える施設で仕事したいじゃないですか。それが叶っている私は、幸せだと思いました。

湖星会での就職を検討されている
学生の皆様へ

入職2年目なので、まだすべて仕事を覚えた訳ではないですが、最初は自分自身ができない事が多くて悩んだり不安になったこともありました。でも、一緒に喜んだり、一緒に泣いたりしてずっと私を見守ってくれる上司や同僚に恵まれて、頑張れています。自分がわからないことを介護部だけではなくて看護部や他の部署の方も親身になって教えてくれるし、施設全体で「みんなでいい施設を創っていこう」という雰囲気があって、少しずつ、着実に自分の成長を実感できる環境があります。私にも後輩ができたので、自分が学んだことは後輩にも教えて、どうやったらお客様の状態が良くなるかとか、日々一緒に考えながら取り組んでいます。成果が目に見えてくるまでには時間がかかることもありますが、諦めないで継続して達成できた時の感動や喜びは、何にもかえがたい宝物です。皆さん、是非一緒にやりましょう!

 

Profile

福島県二本松市出身。国際医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉・マネジメント学科 卒。
平成29年4月介護職として入職。入職後は、特別養護老人ホームみどりの郷の長期入所ユニットに配属となり、在学中より関心を寄せていたユニットケアについて、実践を通じながら積極的に学ぶ。穏やかで朗らかなお人柄が魅力の彼女は、会話を交わした人をみるみる優しい表情に変化させてしまうという、実はすごい特技を持つ。個々に寄り添ったケアの実現へ燃やす情熱は、施設No1。趣味は女子旅。

介護職の先輩インタビュー